水コン・ファイナリストインタビュー Vol.4 安藤令奈さん

 今回は水コンファイナリスト No.4 の安藤令奈さん(生活科学部人間生活学科・3 年)にお話を伺いました!



_水コン出場へのきっかけ


 一つは自分の「タレント性」を磨きたかったからです。過去にミスコンに挑戦した仲の良い友人が「ミスコンは自分をどう魅せるか」や「どうするとファンが付くのか」といった「自己プロデュースの場」になり、良い経験になったという話を聞きました。ちょうど「自己実現」について悩んでいたので、水コンに興味をもつきっかけになりました。また、興味があるのに挑戦しないのは「自分の可能性を狭めている」ようにも感じられました。自信はなかったものの、「私という人間が、多くの人に何かを考えるきっかけになれたら」と思って応募しました。



_ファイナリストに選ばれての感想


 ずっとドキドキしていましたが、「ファイナリストに選出された」と連絡が来た時は、とても嬉しくて「自分の可能性が開かれた」と実感しました。お茶の水女子大学の名前を背負うので、それに恥じないように「誇りを持って頑張ろう」と思いました。また、従来のミスコンの域にとどまらないだけでなく、「多くの人々を巻き込んでいくにあたって、自信を持って前にたてる自分でありたい、そのために頑張ろう」という覚悟も持ちました。



_現在安藤さんは SNS を活用し、ニュースや身の回りの出来事を通して人々が考えるきっかけを促す“思考バイカイヤー”(安藤さんが独自に付けられた名前です!)としても活動されています。SNS での発信で工夫している点について教えてください。


 私は「哲学すること」が好きで、そのように「思考することが好きだ」という仲間を増やせたらいいなと思っています。そこで、SNS では「時事ニュース」や「社会問題」について発信しています。票集めのために SNS での活動を頑張っている訳ではなく、水コンのその先を見据えています。グランプリだけを目標にしているのではなく、「安藤令奈はグランプリにふさわしい人だよね」と言われるような人に成長したいです。


 水コンの後にも「影響力」を持ち続けられるために、どのようにして周囲を巻き込みたいかを考えました。そして、「私をもっと見て、私がすごいの!」というようなアピールは違うかなと感じていました。それよりも、「私が見ている人と出来事をつなぐ媒介役」となり、「みなさんがもっと日頃の出来事を深く考えられるようになれたらいいな」と思っています。考えることや哲学は、「ダサくて陰気なもの」ではなくて「人間として深みを持たせられる、楽しいことなんだよ」と伝えたいです。朝は新聞を読むような感覚でニュースについて取り上げたり、夜は多くの方の目に止まると思うので、親しみをもってもらえるように日常の話をしたりというように、時間帯によって「距離感」を調節しています。しかし、日常の話をする際も、「何かを知る、考える」きっかけや、「多くの人とコミュニケーションをとれる」ような内容にできるように、工夫しています。



_自分の性格や信念を形づくった存在や、出来事はありますか?


 沢山ありますが大きく分けると二つです。一つは、「女手一つで私を育ててくれた母の存在」です。私をここまで育ててくれた母の姿はとても格好良く、「芯の通った強い女性になりたい」という私のロールモデルとなりました。「お母さんの笑顔が見たい、恩返しがしたいから」その思いが大学受験や水コンの活動への頑張りに繋がっていると思っています。


 もう一つは環境です。私が卒業した愛媛県の小学校と中学校は6年間を通して1クラス編成であったり、中には素行が不良であった生徒がいたりしました。また、部活での上下関係も厳しかったです。そのような環境で「どうやって人間づきあいを良好にするか」を無意識に考えていました。高校は進学校でしたが、「周囲が優秀である中で潰れないようにするにはどうするべきか、自分の役割は何か」も考えて行動していました。また、小学生の頃に近所の子が発達障害を抱えていたり、ハンセン病の患者さんと交流したりと多様な人々と交流する機会がありました。アメリカに留学した際には、ホームレスや合法であるため麻薬をしている人が、普通に街にいました。このような多種多様な人の中で適応していくには「自分の芯がないとやっていけない」と感じられました。



_アメリカへの留学を通して得たものについて教えてください。


 一番は「多民族国家の中で適応すること」を学びました。どれほど英語が堪能だとしても、相手の話の 10 割理解することは出来ないので、「通じないことを言い訳にせず、歩み寄って解ろうとすることが重要だ」ということも学びました。具体的には、「身振り手振り」や「一生懸命相手の話を聞いて感じ取ろうとする姿勢」があげられます。「言葉や日本での当たり前」が通じない中で「歩み寄る姿勢」がないと、「格差や差別があって当たり前、分かり合えなくて当然だ」という考えに行き着いてしまいます。「分からなくてもいい、むしろ分からないこと」を前提として「傾聴、対話する力」は1年間の留学生活で身につけられたと感じています。


 もう一つは、「リスクを顧みず挑戦すること」です。街の標識やレストランのメニューが全て英語表記、バスも時間通りこないような暮らしは、「毎日が冒険」のようでした。不安や怖さもあったけれど、そんな不安定な日常にワクワクしていました。また、臨床心理士を目指しているので、「ここでしかできない経験をしよう」と思い、アメリカ人の臨床心理士の方 50 人にインタビュー依頼のメールをしました。そのうち返信があった5人と直接お会いしました。英語も心理学についても未熟ななか、専門家たちから専門の話をを伺った経験は、大きな自信となっています。



_お茶大生・Ocha Journal 読者へのメッセージ


 お茶大生は、「実直で芯を持っている人が多い」印象があります。しかしその反面、「リスクを背負うこと」に対しては、消極的な印象もあります。そこで、「自分の興味や関心の幅を広げることを大切にしていっていただけたら」というメッセージを送りたいです。例えば、「今まで安泰が良しとされていた道」でなくても、自己実現ができることがあるので、「可能性を狭めずにどんどん挑戦していってほしい」と思っています。そしてその挑戦は自信となり、「これからの時代を担っていく私たち」の背中を押してくれると思います。これからの社会をより良くするために、一緒に頑張っていきましょう!




 今回のインタビューの中で安藤さんは水コンを自己プロデュースの場として捉え、日々自らの可能性を広げられていることが伺えました。また、目まぐるしく変わる社会の出来事を一度立ち止まって考えるきっかけに加えて、自分と向き合うことの大切さを伝えて下さいました。インタビューの最後にある「社会を良くするために一緒に頑張っていこう。」という力強いメッセージは在校生だけでなく未来のお茶大生も勇気づけてくれるでしょう。

 数々の出来事から培われた芯の強さと自ずと聞き手が引き込まれる魅力を持つ安藤さん。約1ヶ月後に迫った徽音祭のみならず安藤さんの今後のご活躍にも注目です!


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(ライター:新しい福) 

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